アドレスV125まとめ

スズキ アドレスV125シリーズの修理やメンテナンスに役立つまとめ情報

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アドレスV125【型式別レビュー】K5レビュー

アドレスV125シリーズのインプレ・レビューを掲載しています。
原付2種スクーターの中でも断トツの人気を誇るモデルといえばスズキの「アドレスV125」です。この圧倒的なまでの人気の秘密は、ライバルモデルに比べてリーズナブルな価格設定と、軽量・コンパクトで扱いやすい車体、そして4サイクル原付2種の中でも際立つ走りの良さにあります。そして、もうひとつ注目したいポイントとしてあげたいのがカスタムパーツの豊富さ。ベストセラーモデルとなったアドレスV125には、国内の多くのメーカーが積極的にカスタムパーツを投入しており、現在では外装から吸排気系、インジェクションコントローラーまで、ほぼすべてのカテゴリにおいてカスタマイズを楽しむことが可能。毎日使える便利で速いバイクとしてはもちろん、バイク遊びの素材としても、アドレスV125は高い実力を持っています。
長所①着座姿勢②取り回し③すりぬけ④機敏性⑤経済性⑥積載性
短所①質感②剛性感③後席居住性

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50cc並みの車体に2st100ccのエンジンを搭載し、『都内最速』の異名すら持っていた原付二種スクーター:スズキ・アドレスV100の登場は1990年のこと。後に快適性と走行性能を高めた上級車種:アドレス110も1998年に発売されたが、そのコストパフォーマンスの高さゆえV100の方が販売台数が多かった。

2005年2月に登場したこのアドレスは『V』という記号が付くとおり、アドレス110ではなく、アドレスV100の後継機種として開発された。この種の実用車としては珍しくグレードというものが存在し、廉価版のV125に、追加装備したV125Gがあった。違いは外装の塗色の仕方と、サイドスタンド・インナーラック・リアキャリア・盗難警告灯・DCソケットの追加装備である。DCソケットよりはメットインスペースの照明が欲しいところだが、これだけ追加して21,000円アップというのはお買い得である。販売の7割がV125Gであるという。今回試乗したのは05年初期型の廉価版。現行モデルは19年排ガス規制に対応して出力ダウンしているのでご留意頂きたい。パワーダウンした09年モデルにもいずれ試乗したいと思います。

前後ホイールをあえて10インチに留めることで4st125ccに換装しながらも、V100と同等のサイズに収めたのは快挙と言っていい。誰だろうとどんな場所だろうと取り回しに苦労しない。特に女性にとってはジャストサイズとなり得る初めての4st125ccスクーターではなかろうか。

着座姿勢がまた良い。コンパクトなハンドルは内側に適度な角度が付いている。ひざにこぶしを置いて椅子に座るような無理のない着座姿勢はV100を継承している。足付き性も良い。170cmない私でも地面に足がべったりと付く。フロアは決して広くはないが足で踏ん張れるし、シート前後に段差が出来たのでケツが安定するようになった。長時間走行ではV100より疲れにくくなった。普段は格納されている後席ステップは運転席から近すぎず遠すぎない絶妙な位置に付いている。スポーツバイクでいうところのバックステップのような感覚で運転者が使用することもできる。足の置き場を時折変えることで疲労を軽減し、単独での長時間走行も何とか可能になっている。

後席ステップをライダーが使用できるメリットは他にもある。フロアステップの全面積を積載スペースとして使えることだ。小型のボストンバック1個をここに載せられる。フロントにはカゴを装着できるし、リアキャリアもV125Gに標準、V125に装着可能。V125Gに標準のフロントインナーラックもネジ止めなので部品として取り寄せればV125にも装着できるはず。コンビニフックは双方に標準。横に寝かして収納するタイプだがフルフェイスがしっかり入るメットインスペースである。これらをフルに生かせれば、ひょっとして原付二種最高の積載性ではないかと密かに思っている。

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2ケツ居住性はV100以上110未満だ。小ぶりな後席だが着座位置がV100よりわずかに後方にシフトして窮屈さが減った。後席ステップは収納式で運転者が地面に足付く際にも互いの足がぶつかりにくいし、両グレード共にアシストグリップもある。快適に2ケツするための最低限の要素は備えている。しかしシートの長さが絶対的に不足している。この密着度はできたてのカップルでない限り、かなり暑苦しい。

車体構成・ハンドル形状から2人乗りでの操縦性と安定性はホンダ・スペイシー100の方が良かった。ヤマハ・シグナスXは着座姿勢が悪いので2ケツしたときバランスが取りにくい。3台のなかで2ケツ操縦性が最もいいのはスペイシー100である。やはり単独乗車でのすりぬけ戦闘力こそアドレスの真骨頂である。

積載性と乗降性を重視してフラットフロアを採用した結果、フレームはアドレス110のように立体的な構造ではない。車体がねじれるとまではいかないが、剛性感は明らかにアドレス110、シグナスX、@125などに劣る。直線では80km/h以上も出すと怖くなってくるし、バンク角が深くて旋回性もいいのだが、タイトコーナーでは怖くてどうしてもリアブレーキを引きずってしまう。アドレス110の剛性感が懐かしい。

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真夏日、真冬日、双方とも始動性が良かった。アイドリングも極めて安定している。キックスターターも標準装備であるが、同じくフューエルインジェクション(FI)を採用するホンダ・スマートディオZ4(PGM-FI)と違ってバッテリーが完全に干上がってしまうとキックで始動できない構造であることに注意する必要がある。エンジン音はシグナスXより静かでスペイシー100よりわずかに大きい。静寂な中にも心地よくテンポの良いリズムを刻む。音質的にはシグナスXより柔らかい。

アクセルをそっと回せばしっとりと進み出し、ぐいっと捻ればフロントアップしそうなくらい元気に飛び出していく。従来の4st125ccスクーターは発進時にクラッチやらエンジンやらの騒音・振動が大きく、加速もまどろっこしかったが、アドレスV125はスロットル量にかかわらず非常にスムーズかつ静かに発進することができる。燃料供給方式がFIになり全回転域で燃焼が安定したこと、そしてアドレスV100タイプS以来、クラッチの熟成が進んでいるのだろう。この足付きの良さと合わせ、低ミュー路においても安定した発進が期待できる。

変速も全域でスムーズになった。V100や110ではアクセルを全開にすると発進から最高速の間にもたつく領域がどこかしらにあったが、V125にそのストレスはない。出足の一瞬にまろやかさがあるものの、体感加速はかなり速い。

アクセルを全開にしてみた。60km/hの加速まで100mを必要としない。200mあたりで既に80km/h。350mで90km/h。わずか500mで最高速の100km/hに到達した。平地最高速でアドレスV100を越え、その到達時間もアドレス110より早くなった。平地以上に力の差を感じたのは峠越えである。アドレスV100、アドレス110が70km/hで息を切らすような坂をアドレスV125は80km/h出してまだ伸びんとする。キャブ仕様の2stとFI仕様の4stの実力差がはっきりと出た。

燃費はすこぶる良い。真夏に単独乗車で流れの良い国道をキビキビと400kmほど走ったところ46.5km/Lになった。信号停止回数が少なく測定条件がシグナスXより若干有利だったかもしれないが、シグナスXよりここまで良くなるとは思わなかった。同じような条件で走行したアドレス110より40%以上も良い。50km/h一定で走行しようものならカタログ燃費は本当に達成できるかも知れない。市街地短時間走行でも年間平均30~35km/Lは期待できそうな実力である。

この加速と好燃費、エンジンはアドレス110をも越えたと言っていいだろう。しかし足回りやフレーム剛性でかなわないので、総合的な戦闘力は依然としてアドレス110がクラス最強であると私は思っている。

V100のアンチダイブ式フロントサスは走・止・曲の安定感が良かったが、段差を通過した時の突き上げが大きかった。一方でV125のテレスコピックは自然な操縦感覚で衝撃もソフトになったが、極低速での安定感やタイトコーナーでの旋回性もV100のほうが良かったかも知れない。4stになってエンジンブレーキの効きがよくなった。車体の軽さと相まって制動力は確実に向上している。

ヘッドライトはマルチリフレクターになり被視認性がいくぶん向上した。照射力もいくぶん向上し夜間の標識も見つけやすくなった。ヘッドライトの明るさにつぶされない位置にウインカーが移動したが、フロントバスケットから荷物をはみ出してしまうとウインカーが隠れるおそれはある。

全体的に質感が落ちた。特に廉価グレードの外装はレッツと同じく素材そのものに色が付いたプラスチックなのでプラモデルのようだ。また、メットインスペースからは照明も中敷(オプション設定あり)も省略されてしまったのは残念である。

現時点で無敵のコストパフォーマンスと機敏性を誇る原付二種である。125ccベストセラーの座は続くだろう。V100からの買い換え、50ccからのステップアップ、AT限定免許取得者が乗るはじめてのバイクとして、自信を持ってお勧めできる。しかしこの華奢な車体構成ではアドレス110のオーナーを満足させることはできまい。V125と引き換えにアドレス110、ヴェクスター125、アヴェニス150が販売終了となった。アドレス110オーナーは次にどのスクーターを選べばいいのだろうか?

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